バスで行く他国の入国①

カンボジアは、タイ、ベトナム、ラオスに囲まれたちょうど真ん中くらいに位置し、海を挟んでマレーシアと、割とどこに行くにもちょうどいい距離感と言えるような位置関係にある。
もちろん日本のような島国では無く、陸続きの国境で隣り合わせているので、お互いの国に対していろんな思いや考えがあったりで
『みんな仲良し東南アジア?』
というわけにはいかない。
ただ、言い方には語弊があるかもしれないが、僕らのような『よそ者』にとっては、周辺国に遊びや観光に出かけるのは、日本から海外に出るよりもハードルは遥かに低いように感じる。
交通手段としては、様々なものがあるが、最も過酷で体力を使うのは、陸路を使ったバスでの国境越え。
カンボジア首都のプノンペンからベトナム首都のホーチミンまで行くのはバスで約7時間ほど。地図で見ていただければわかるが、
距離としてはそれほど無いように見えることだろう。

実際の距離としても250㎞ほどで、日本でいえば東京から静岡の掛川あたりまでの距離くらい。
高速使えばブーンと行けちゃう距離と思われるかもしれないが、そこは東南アジアなので。
これでもまだ早い方で、
プノンペンからホーチミンまでの間にある国境で、バスの乗務員さんが国境通過の際に必要な乗客のパスポートを預かってくれて、
入国手続きを代行でしてくれるため、国境トラブルが避けれることになる。
これだけでも、ものすごくありがたいことなのだ
念のための豆知識になるが、このバスでの移動時間7時間の間で、休憩は1回~2回程度。なのでなるべく飲み物は控えた方が良い。
ベトナム入国は、僕が旅した当時は、日本人なら観光ビザが無料だった(誤情報だと困るので、念のため調べて頂きたい)入国でのトラブルが少ないため、ストレスは無かった。
だからベトナムのホーチミンへの旅は、快適といってもいいくらいのバスの旅になるのだが、
もしあなたが
トラブルがストレスになるのであれば、
カンボジアから見るとホーチミンとは逆方向に行く、タイのバンコク行きのバスの旅はオススメ出来ない。
そもそも、冒頭から『バスの旅』のことを書いているのはなぜか?もちろん空路もあって、飛行機なら快適にホーチミンもバンコクもどちらも1時間くらいで到着する。
しかしLCCがあるとはいえ、飛行機に比べると圧倒的にバスの方が安い。"
ホーチミン:飛行機60ドル、バス12ドル
・バンコク:飛行機70ドル、バス15ドル
(いずれも運行会社やシーズンによっての違いはある)
旅費のことを考えると、少々の苦労をしてもバスの方が経済的と思えるのだ。
そこでバンコク行きのバスの話に戻るが、多少のトラブルは楽しみの一つくらいに変換できる能力が備わったと自負する僕にとっても、辛すぎてまるで『修行』かと思えるような経験になった。
僕が経験した地獄のバスの旅、プノンペンからタイバンコク行きは、本当にトラブルの連続で、トラブル以外の思い出が無いくらいの怒涛の嵐のような経験だった。
初めてのバンコク行きの日、バスのチケット買うとトゥクトゥクが迎えに来てくれて、バス停まで送ってくれるというサービスが付いている。
チケットを購入した時には『20時30分』に迎えに来てくれて、バス停まで送ってくれるという約束をしたはずなのに、
5分待っても10分待っても一向にトゥクトゥクはやってこない。
増えるのは僕のイライラの度合いとガンガン足に刺してくる蚊の刺し後のかゆみの場所だけ。僕もまだ日本人感覚が抜けないらしい。
時間に不正確な『おおらかさ』には、なかなか馴染めなかったりする。20分待っても来ないので、ネットでこれから行くバンコクのことを調べていると、カンボジアとタイの国境付近には
ボッタクリのタクシーがウヨウヨいて、
国境や空港では観光客という獲物をゲットするスポットとして
目をギラギラさせて待ち受けてる輩が山ほどいるんだろうなーなどと考えるのと同時に、『ホントにトゥクトゥク来るのかな?』と段々不安な気持ちが煽られ途方にくれかけた21時頃にようやくトゥクトゥクがやってきた。
来る早々『モタモタするな!早く乗れ!』とでも言いそうな表情で乗車を促され、『お前が早く来ないからだろ!』とキレそうだったが、イラついても体力を使うだけだし、
まだ旅はスタートもしてないんだからとなんとか心を落ち着かせトゥクトゥクに乗り込んだ。
2ドルのフランスパンを、
もしもの時の非常食として調達し、なんとか出発前にバス停にたどり着くことができた。
続く、