雨降れば洪水カンボジア
カンボジアに住むようになって、全く天気予報は見なくなった。なぜなら、雨が降る直前には必ず突風が吹くので分かりやすいから。
最初は、暑い中で急な突風は恵みの風が吹いたと勘違いして喜んでる僕とは違い、周りの人は慌てては急ぎ足で逃げ帰ったりして、
風への警戒する姿を不思議に思った。その三分後、恐ろしいほどの豪雨で全身びしょ濡れ。バイクで雨から逃げるため走ると、さっきまで暑さで苦しんでたのが嘘だったように今度は寒い。
日本だったら雨が降り、洪水になったらニュースになるのを、今までの僕はテレビ画面を通して見た事しかなかった。
しかし、ここカンボジアでの豪雨による洪水を目の当たりにした時には『マジで?』『これは現実か?』と思うくらい。
道は封鎖され、車やバイクはエンジンにまで水が入り、壊れてしまい困ってる人達は沢山。それに引き続き"
渋滞が起こってしまう。帰宅するにも何時間も掛かり、苦痛な時間を過ごしながら帰宅したことが何度もある。
この豪雨は道路を川のようにし、洪水を起こすだけでなく、隣に住んでた日本人の家の天井を破壊して雨漏りどころの騒ぎじゃなく、
家の中も洪水かと思うほどの大騒ぎを引き起こす。
『お気の毒に。大変ですね。自分じゃなくて良かった』と当時は思い、完全に他人事だった。
しかし神様はちゃんと見ていたようで、時が経つと自分の順番になってたらしい。
長い間、豪雨が降り続き、一階に雨漏りが始まった時から嫌な予感しかしなかった。恐る恐る二階に上がると足湯センターが開店していた。
水面に板が、そこら中にプカプカ浮かび散らばってる。そして天井があるべきところを見あげると曇り空が一面に広がっていた。
二時間くらい水捌け作業をして、ようやく足湯センターを閉店に追い込むことに成功したが、先ほどまでの豪雨ではないものの、雨は未だに降り続けてる。
幸いにも寝室の天井は破壊を免れたが、雨漏りは一向に止まる気配がない。せめて寝室は寝る場所だけでも確保したいので、雨漏りスポットの下にバケツを用意。
色んな所に設置したバケツに向かって落ちる水面の音、水が溜まるつれ綺麗な「ポターン、ポターン」っと安定した音に変わってくる。
僕はベットに横になってこの音を聞いている。「ポターン、ポターン」が段々小さな音になって行くのを聞いてると、一つの不安が頭をよぎる。
雨漏りの水が、どのくらいの量溜まったか分からないので、もしかしたら、バケツから溢れ出ないか心配になって来た。音を気にしながら、
ある程度時間経過したら確認に行き、思ってたほど溜まってないのにホッとしながら一応溜まった水は捨てる。
続く